プリペイドカードとeスポーツの意外な「親和性」。 キャッシュレス決済の運営企業であるカンムがゲームコミュニティ育成に果たす役割とは?
2020.01.17
2019年12月8日、e-sports SQUARE AKIHABARAにて開催された「バンドルカードカップ」。\ 「CoDで一番強いのは誰だ!?」を合言葉に、著名選手・ストリーマーと一般選抜組の合計32人が戦ったこの大会は、カンムにとって初となる冠協賛のスポーツイベントでした。
協賛の背景と、スポンサーがeスポーツに寄せる期待について、大会企画者の3名に取材しました。
株式会社カンム マーケティングプランナー 酒井雄太(写真左)\ 株式会社Libalent esportsチーム代表 岩田遼太郎 氏(中)\ 株式会社Libalent 広告事業部 ゲームプロモーションチーム チームリーダー 寺田光 氏(右)
株式会社カンム マーケティングプランナー 酒井雄太:僕は「バンドルカード」のマーケティング担当として、YouTubeやTwitterなどのWebプラットフォームを中心に広告案件を企画しています。Libalentの広告事業部には芸能人を起用したプロモーションを手掛ける事業部があり、最初はその分野でのお付き合いでした。サービスをよく理解してもらうため密なコミュニケーションを重ねる中で「バンドルカード」はLibalentの別事業であるeスポーツ分野とも親和性が高いと考えはじめました。\ その流れで、Libalentのeスポーツ担当である寺田氏を紹介してもらったのです。
株式会社Libalent 広告事業部 ゲームプロモーションチーム チームリーダー 寺田光 氏:今大会で競技に選んだCall of Dutyシリーズ(CoD)はいわゆるFPS(1人称シューティング)と呼ばれるものです。この分野は異なるゲームでもプレイヤー同士の横の繋がりあるのですが、その繋がりが見えづらいという側面があります。\ この分野の代表的なゲームといえばCoDシリーズのほか「APEX LEGEND」や「フォートナイト」などが人気ですが、プレイヤーや視聴者(YouTubeなどでプレイヤーの実況配信を楽しむファン)のコミュニティはゲームごとに分断されていて、相互の交流が活発ではありません。
Libalent 寺田氏:そうですね。チームに縛られない個人戦が盛り上がれば、実況配信でも両ゲームの視聴者をあわせて取り込むことができるのでは、と考えました。この構想を実現に向けて進めるとき、すでに仕上がった大会のスポンサーではなくゲーマーコミュニティを盛り上げるところから一緒に取り組みたいと賛同してくれたのが、カンムでした。
カンム 酒井:弊社が提供する「バンドルカード」はVisaブランドのプリペイドカードです。チャージ式プリカなので若い10代のユーザーでも作ることができ、自分のお小遣いの範囲でゲームなどのダウンロード購入(クレジットカード払いとして)に使えます。しかも用途はゲームに限定されないので、余った金額は別の支払いに使えます。お金の管理がしやすいことから、幅広い年代の支持を得ています。\ このように「バンドルカードでゲーム生活を豊かにできる」というメッセージを、大会を通じて積極的に発信したいと思いました。実際、Twitterでこの大会を告知したところ「バンドルカードカップが楽しみ! 嬉しい!」など、サービス名が肯定的な感情とともに大きく拡散されていき、それがすごく面白かったですね。\ 本来、決済サービスそのものにエンタメ性はないのですが、ゲームと組むことでコミュニケーションがポジティブになりました。
Libalent 岩田氏:ほか、決済関連のeスポーツならではの特徴としては、eスポーツ選手やストリーマー(実況配信者)に対するファンからの「投げ銭」「スーパーチャット」などの課金による支援があることです。自分自身でプレイするのが目的のゲームファンとはそこが違います。\ 「YouTube Premium(ユーチューブ・プレミアム)」に加入して、より快適な視聴環境を手に入れたり、限定動画を楽しんだりする人もいます。
カンム 酒井:小売の現場を見ても、ゲーム販売のメインルートは専門店・量販店からダウンロード型に移っています。人気ゲームの発売直後にSNSをチェックすると「(量販店が在庫切れで)買い逃した!」と悔しがるツイートが散見されます。オンラインプレイ主体の楽しみ方では、買うのが一日遅れただけでも、スキルや進行などの面で大きく後れを取ってしまうのでしょう。
大会としての目的はタイトルの枠を超えたゲームファンのコミュニティを創ることですが、カンムとしてはこの機会に、ゲーム自体の攻略方法だけでなく「上手な買いかた」の攻略方法を教えあう土壌を作っていきたいと考えています。
カンム 酒井:スポンサーとしては、なるべく多くの人に広まってほしい気持ちはあります。ただ「バンドルカード」はあくまで一つの決済手段ですので、あまり目立ちすぎてもエンタメ大会としてのバランスを崩してしまう。そのあたりは「ゆるく」設計したいと、あえて意識していました。
Libalent 寺田氏:脚光を浴びるのはプロ選手ですが、それだけではなく友達同士で普通にオンラインゲームを楽しむ裾野がもっと広がってほしいと思っています。\ そのためにはロールモデルが重要です。たとえばYouTube界では「ヒカキン」さんのように圧倒的なプレゼンスを持つ存在が現れ、そこに憧れた小中学生の人気職業ランキングに「YouTuber」が入るようになりました。eスポーツ界にもそうした人がもっと登場してほしい。
Libalent 寺田氏:前例を作ることができたのが、ありがたかったです。
この分野のスポンサーというと、飲料や目薬などのゲームプレイと親和性の高いブランドが目立ちますが、僕たちとしては消費財メーカー以外にも拡がっていってほしい。企業側の基準も色々と厳しいなかで、お金を扱うサービスである「バンドルカード」のカンムと一緒に取り組めたのは大きいですね。\ eスポーツ業界はクライアントとの組み方次第で、トレンドやバズを作るポテンシャルは大きいと思っています。
Libalent 岩田氏:僕がスポーツ紙で情報発信している目的(日刊スポーツのコラム「ふぉーEVAeスポーツ - https://www.nikkansports.com/amusement/column/eva/ 」)も認知向上のためです。\ プレイヤーよりずっと上の世代の読者にeスポーツへの親しみを感じてもらい、企業の決裁・意思決定者に届ける。そうして、ビジネスとしての裾野を広げていきたいです。
インタビュー後に行われた大会は、インフルーエンサー枠12名・一般参加枠20名の選手を迎えたトーナメント形式の個人戦で実施されました。実況者k4sen氏のMCのもと、Twitter経由で当選した観覧者60名の目前でプロレベルの熱戦が繰り広げられ、会場の興奮は最高潮に。
優勝者のU_Y_P氏は今年プロデビューした気鋭の若手です。今シーズンからプロの仲間入りを果たした弱冠18歳で、本大会では一般参加ながらダントツの優勝を果たしました。
インフルエンサーもそれぞれ大健闘の成績を残し、ゲーム配信は視聴回数2万回を超えるなど鮮烈な記憶を残す大会となりました。
ストリーマー みったん 氏 コメント:バンドルカードは大会前からプロモーションに出演していて、自分でもよく使っています。1分でつくれて3分で支払いできる速さに、最初は驚きました。最近使ったのはフォートナイトのバトルパス購入。あとは、スキンもバンドルカードでよく買っています。自分の好きなスキンだとゲームのモチベーションも上がりますよね!